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4ステップの実学教育

Proof of Growth -成長を、証明せよ。- 医療福祉工学部:6,391歩の計測〜重い荷物を持ったとき、ヒトの歩行にはどんな変化が起きているのだろう?理学療法士のたまごたちが、3次元動作解析装置で集めた歩行の計測データは、6,391歩分にも及んだ。

ときめき-Opportunity- 歩行の謎に、挑む。

医療福祉工学部の臨床運動学研究室では、ゼミの第一歩として、英語の論文を読むことを学生たちに課している。もちろん、専門用語の多い医学系の論文を、英語で読むのは簡単なことではない。ゼミを指導する小田邦彦先生は、「日本語で読むと、漢字を見てなんとなく意味がわかった気になってしまいます。しかし、英語で分からない言葉があると、一つひとつ辞書を見て調べるでしょう。結果的に、より理解が深まるのです」と語る。ある年のゼミ生たちは、みんなで翻訳した論文をもとにディスカッションを重ね、「重い荷物を持ったとき、ヒトの歩行にどのような変化が起きているか?」という研究テーマにたどり着いた。「歩く」という、ごく日常的な行為の中にも、科学的に解明されていないことが、まだ数多く潜んでいるのだ。

実践-Experience- 3次元動作解析装置を、操る。

歩行という動作を科学的に分析するために、大学内の「3次元動作解析装置」を使った計測がはじまった。3次元動作解析装置とは、複数台のカメラからマーカーと呼ばれる球体の動きを検知し、ヒトの動きを正確に記録して、解析することができる装置。この装置を学生たちが実践的に活用して研究を行っている大学は、全国でも珍しい。

歩行の計測は、モデルにキャプチャスーツを着てもらい、体の決められた位置にマーカーを付けるところからはじまる。このマーカーが、赤外線を反射させ、カメラに正確な位置を伝えているため、少しでもズレていれば、きちんとした計測データをとることができない。マーカーを付ける作業ひとつとっても、ヒトの体についての理解が問われるのだ。この研究室の学生たちは、みんな理学療法士のたまご。これまで授業で学んできた知識に、自分たちの試行錯誤を重ねながら、装置の使い方を覚え、研究を進めていった。

感動-Capability- 6,391歩分の計測データ。

どんな計測データを集めればよいのかも、自分たちで考えた。まず荷物を持たない状態で歩いてもらう。その後、体重の5%、15%にあたる重さの水を、順に背負って歩いてもらう。それを各10m、3回ずつ繰り返すという計測方法で、「荷物の重さ」が歩行に与える影響を調べることにした。この計測には、とても手間がかかる。たとえば、うまく歩幅が合わず、床反力計の上に足が着地しなければ、データがとれず、何度もやり直さなければならない。すると、歩く人の「疲れ」という荷物の重さ以外の因子が加わってしまう。スムーズなチームワークと粘り強さが必要だった。こうした計測を何度も繰り返し、集めた計測データは、6,391歩分にも及ぶ。理学療法士の資格の勉強と併行して、およそ1年間でこれだけのデータを集めたことは、まぎれもなく学生たちの努力と成長を証明するものだ。

彼らは、そのデータをもとにパソコン上で歩行の3次元モデルを動かしてみせるまでになった。

発展-Utility- 目の前に現れた、新しい謎。

膨大な歩行の計測から、当初予想していなかった結果が現れた。「これまで、歩幅が狭くなったら、歩隔(足の左右の幅)は広くなり、歩幅が広くなったら、歩隔が狭くなるものだと思っていました。でも、データを見ると、そうなる人とそうならない人が、半々ずついることがわかったのです」と、ある学生は語った。計測から生まれた、新しい謎。そして、なぜそうなるのかという答えは、まだ見つかっていない。しかし、学生たちはこうも言う。「授業では答えが用意されている事が多いですが、今取り組んでいることは、正解がなかなか見つからない。考えるのはとても大変だけど、これが研究のおもしろさなのだと思います」。そんな彼らを見つめながら、理学療法学科の小田先生は言う。「理学療法士は、“動作”のプロです。動作に関しては、他のどんな職種の人も圧倒的に凌駕するだけの知識と経験を持つ。そんな気持ちで学んでほしい。彼らは今、歩行について、これまでにないほど深く考えています。この経験はきっと、プロの理学療法士になったとき、患者さんの歩行分析への理解を深めてくれるはずです」。



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